明治9(1876)年9月19日～昭和25(1950)年4月5日

福岡生まれの洋画家、版画家。

1891年に修猷館の図画教師を務めていた洋画家の吉田嘉三郎に画才を見込まれ、吉田家の養子になる。

1894年に東京に上京し、小山正太郎主催の不同舎に入門。太平洋画会と官展を舞台に活動を展開。1889年に渡米し、デトロイト美術館で「日本画家水彩画展」を開催。

その後もヨーロッパ、アジア等を巡歴。1920年に、渡邊庄三郎という版元と出会い、木版画の制作を開始。当時、衰退していた伝統木版画を盛り上げた。

世界各国を旅し、東西の芸術が融合された独自の表現と技法を確立。繊細で、絶妙な透明感のある光の表現は、30回以上の擦り数によって生み出されている。

川瀬巴水とともに「新版画」を代表する作家で、故ダイアナ元英国皇太子妃や精神科医フロイトに愛されたことでも知られる。

晩年、日本山岳画協会を結成。国内外の山岳風景を多く描いた。

「渓流」「アルプス十二題 劒山の朝」「瀬戸内海選集」など