明治24(1891)年12月9日～昭和55(1980)年12月13日

横浜市出身の版画家・洋画家。

葵橋洋画研究所で黒田清輝から素描を学ぶ。

本郷洋画研究所では岡田三郎助、藤島武二から油彩を学び、来日中のバーナード・リーチからはエッチング技法の指導を受けた。

本格的に銅版画を学ぶため、フランス語の勉強に取り組み、1918年に渡仏。以来、１度も帰国することなくパリを拠点に活動。

当時、道具さえ失われてしまっていた「マニエル・ノワール（英語訳はメゾチント）」という技法を復活させた。

第二次世界大戦中は、経済的にも肉体的にも苦しい日々を送るが、友人たちの助けも支えとなった。終戦後しばらくは、制作も思うにまかせなかったが、1946年になって制作を再開させる。1959年頃からは、背景がより深い黒色の作品を制作し、主題も草花、鳥、魚、砂時計といった静物画を多く描いた。

サロン・ドートンヌやフランス画家版画家協会に所属して、パリの画壇で高く評価されたほか、フランスでは文化勲章、日本では勲三等瑞宝章を授与される。

1972年には、フランス国立貨幣・賞牌鋳造局において、肖像を浮彫にしたメダルが鋳造された。日本人画家としては、葛飾北斎、藤田嗣治につづき３人目である。

「開かれた窓」

「時　静物画」

「コップに挿した枯れた野花」など