ニンフェンブルクとは、1747年に活動を開始したドイツの陶磁器ブランドのことです。ブランドのロゴマークは、当時のバイエルン王であるヴィッテルスバッハ家の家紋をモチーフに作られました。ひし形の幾何学模様を取り入れているのが特徴で、ニンフェンブルクのマーク変更は何度かありましたがひし形は必ず使用しています。
創業当時、ヨーロッパにおける陶磁器は宝石と同等の価値を持つ高級品でした。王侯貴族としては自身の権力・財力・教養などをアピールできるため、各地で陶磁器の開発に力を入れていたようです。ニンフェンブルクもこの流れに乗って創業した窯のひとつで、ドイツのバイエルン地方を統治していたヴィッテルスバッハ家のマクシミリアン3世が創設しました。
設立当初は陶磁器生産がうまくいかずなかなか事業が軌道に乗りませんでしたが、創設から7年経った1754年に生産に成功します。ニンフェンブルクの品質の良さは国境を越えて広まり、ブランドの知名度も向上。事業規模の拡大のため、1761年にニンフェンブルク城内へ工房を移転しました。移転から260年以上経過した現在も、ニンフェンブルクの陶磁器はニンフェンブルク城で作られています。
ニンフェンブルクのこだわりは、昔ながらの製法と手作りにこだわっているところ。工房内を流れる小川の水流と水車を使い、発電しています。成形はろくろを使用し、細かい部分まで繊細に表現。絵付けももちろん手作業で、1万5,000種類以上もの絵の具の配合から適した色を選びます。妥協せず活動を続けているニンフェンブルクは、現在も世界中の人々に愛されています。