バカラとは、クリスタルのラグジュアリーブランドです。ルイ15世によって、1764年にフランスのバカラ地方にガラス工場の建設が許可されて創業しました。1816年にクリスタルガラスの製造を開始し、現在に至るまでグラスやアクセサリー、置物などを生産しています。各国の王族にも人気が高く、イギリス王室をはじめとしたヨーロッパだけでなく、アジアの王族たちも注文したことがあるほどです。
クリスタルの成形・カット・金彩などの各工程を、それぞれの工程に特化した職人が行っており、1つの作品の完成を目指します。今までにバカラからはフランスの国家最優秀職人賞である「M.O.F」の受賞者を50人以上輩出。しかし品質基準の高さから、最高レベルの職人が制作したものでも消費者が購入できるのは全体の6~7割くらいとされています。
クリスタルグラスは様々なシリーズが発表されており、特に古いものとして「アルクール」と「ローハン」が挙げられます。アルクールは、1841年に当時のフランス国王であるルイ・フィリップが注文したグラスをもとにシリーズ化されました。重厚感のあるフォルムと、六角形の平べったい台座が特徴です。
ローハンは19世紀後半に登場しました。グラス全体に繊細な蔓草模様を施しており、華やかなデザインなのが特色です。ほかにも金彩をあしらった「コンコルド」や、切れ込み模様を大胆に付けた「マッセナ」など、幅広いシリーズを展開しています。現在は個性豊かなデザイナーとコラボしながら新しい作品の発表も行っており、進化を続けているブランドです。