「版画」

2022.5.9

版画とは、彫刻や装飾を施した板にインクを塗り、紙に転写させる技法や、その技法を使って制作された絵画作品のことです。ヨーロッパでは、15~16世紀にかけて活版印刷術が開発されたことにより、盛んに版画作品が制作されるようになりました。日本においては、飛鳥時代ごろに木版印刷の技術が中国大陸から伝来。初めは仏画や文書の作成に使われましたが、江戸時代ごろから芸術分野も発展し、歌川広重や葛飾北斎などが活躍しました。

版画は、使用する板の仕組みをもとに4つに分類されます。凸版画は、紙に転写したい部分だけが出っ張るように板を加工し、バレンやローラーで写し取る方法です。板を加工する際は、鏡画になるよう左右を反転させて制作します。浮世絵の制作で使用された木版画も、凸版画の一種です。逆に凹版画は、転写させたい部分を凹ませた板にインクを塗った後、凹ませた部分以外のインクをふき取り、凹部に残ったインクを紙に転写して制作します。

平版画は、油分が水分を弾く仕組みを取り入れた版画です。平たい板に油分を多く含んだチョークやクレヨンで絵を描き、専用の薬品などを塗って版を作ります。油分が浮かび上がって紙に写るよう、転写するときは版を水で濡らすのが特徴です。孔版画は、インクが通る部分と通らない部分を作り、裏側から版の隙間を通して紙にインクを写す方法。昔は木版や銅版のような堅い板ではなく、絹の布のような薄い生地を用いて転写していました。