「香木」

2022.4.6

香木(こうぼく)とは、芳香を放つ樹脂分を多く含んでおり、特徴的な香りがする木材のことです。骨董品としては木材そのものだけでなく、香木を使った彫刻作品も扱われています。日本では、古くは6世紀末に淡路島に漂着したものを宮廷に献上した記録が残っており、平安時代以降は宮廷貴族の香りを鑑賞したり、調合した練香の優劣を競ったりする遊戯にも使われました。代表的な香木の種類は、白檀・沈香・伽羅です。

白檀は、インド・インドネシア・オーストラリアなどに分布する香木で、甘くスッと鼻を通るような香りがします。表面よりも心材部分の方が香りの成分が強く、奥から上品な芳香がにじみ出てくるのが特徴です。常温でも香りを放つため、香木としてだけでなく、仏像彫刻や扇子にも使用されます。

沈香は、ベトナム・カンボジア・インドネシアなどの東南アジアを中心に産出される香木です。老木・地中に埋まった倒木・枯木など傷が付いた木材と真菌類が作用し、香りを生み出す樹脂が発生して生成されます。香りは木材によって異なり、甘味・酸味・苦味など幅広いのが特色です。

伽羅は、沈香の中でも特に香りのよいものを指します。現在はベトナムの一部の地域でしか採れず、生成の過程などの詳しいことは今でも解明されていません。香りは爽やかな甘さや渋みなどのバランスがよく、かつては天皇家・将軍家・貴族・豪商など、一部の特権階級の人しか扱えないほどの高級品でした。香りを鑑賞する芸道である香道にも用いられています。