イッケンドルフミラノ

イッケンドルフミラノとは、イタリアのミラノに拠点を置くガラスメーカーのことです。もともとはドイツで営業しており、20世紀初頭にドイツ東部の都市ケルンにある、クアドラート・イッケンドルフという街で創業します。当初は釉薬職人により、シリカをはじめとしたガラスの原材料の研究が行われていました。

初期のイッケンドルフミラノでは研究の結果をもとに、時代ごとの流行を取り入れた製品を生産していました。1950年頃からは純度が高い原材料にこだわり、完璧に近いグラスの透明度やシンプルなシルエットのデザインなどに力を入れるようになります。装飾性に優れた古典的な製品とは一線を画し、流行に左右されないモダンデザインの追求を行うようになりました。

インテリア雑貨として使えそうなおしゃれな製品も発表し続けており、透明度の高いガラスでできたティーポット「PIUMA」や、立方体ガラスのなかにオイルを入れる別の器を入れた「CUBE」など、シンプルながら個性的なシリーズを展開しているのがイッケンドルフミラノの特徴と言えるでしょう。

拠点をイタリアのミラノに移転したのは、1990年です。創業当初から培ったガラス技術と、現代のアーティストやデザイナーの力を合わせ、時代を超えて愛される製品の生産を行っています。使用する素材も製品に合わせて変えており、昔ながらのガラスやクリスタルから、2019年に導入したストーンウェアなど多岐に渡ります。イッケンドルフミラノは創業から100年経過した現代でも、新しさを感じられる製品ができるよう絶え間なく研究を続けているメーカーです。