カールスバード

カールスバードとは、チェコの磁器ブランドのことです。チェコの西部から中央部にかけて広がるボヘミア地方の、カルロヴィ・ヴァリ地域で生まれました。カルロヴィ・ヴァリ地域は磁器づくりに適した良質な土が豊富に産出されており、陶磁器の製造が盛んに行われているエリアです。

カールスバードが登場するきっかけとなったのは、1885年にドゥビー社がカールスバード・ブルーオニオンを製造したことです。ドゥビー社は、チェコに拠点を置く磁器メーカー。カールスバード・ブルーオニオンはボヘミア地方初のブルーオニオンで、その後いくつもの会社が類似するシリーズを発表しました。ドゥビー社のブルーオニオンは「ボヘミア最古のブルーオニオン」として、世界3大ブルーオニオンのひとつに数えられています。

ブルーオニオンとは、青色の着色剤で中国式のザクロ文様を描いた白磁のことです。カールスバードのブルーオニオンは、丸くて柔らかい印象を与えるシルエットが特徴。青色の着色剤の発色もほかのブルーオニオンと比べると濃いめで、食卓の主役にもなれる製品が多数登場しています。

現在もボヘミア地方にあるチェスキー・ポルツェラン社の工場で製造が続いており、ティーカップ&ソーサーやプレートなどさまざまな食器を発表しています。食器のどこかに、「BOHEMIA」と「D」の刻印があるのが目印です。世界3大ブルーオニオンのなかでは比較的安価でお求めやすく、食洗器や電子レンジの使用が可能なものもあり、現在も世界中から広く人気を集めています。