コールポート

コールポートとは、イギリスの陶磁器ブランドのことです。諸説ありますが、1795年にジョン・ローズとエドワード・ブレークウェイが、イングランド西部の「コールポート」という街で創業したという説が有力とされています。高い技術力と美的センスを備え、カップ&ソーサーや陶磁人形(ビスクドール)などを製造していました。

コールポートの魅力は、観賞用としても楽しめるほど優雅で上品なデザインです。独自開発した製造技術や色使いをもとに、イングリッシュガーデンを思わせる華やかな草花を描いたカップ&ソーサーや、ドレスを着て今にも踊り出しそうな陶磁人形など、さまざまな作品を発表しています。東洋の染付を思わせる重厚感のある製品もあり、デザインのバリエーションはとても豊富です。

創業後すぐにコールポートは急成長を遂げ、1820年に芸術協会の金メダル受賞、1845年にヴィクトリア女王の依頼を受けてロシア皇帝ニコライ1世への贈り物の製造、1851年開催のロンドン万国博覧会での展示など、数々の功績を残します。しかし時代の流れに押され、1967年にウェッジウッド社に買収されます。そして1986年、ウェッジウッド社とウォーターファード社の合併により、製造が終了しました。

コールポートの代表的なシリーズとしては、貴族が馬に乗って野山を駆け回る様子を描いた「ハンティングシーン」、かわいらしい木の実や草花を描いた「インディアンツリー」、金彩とコバルトブルーの組み合わせが美しい「コールポート」などが挙げられます。