ノリタケとは、愛知県名古屋市に本社と工場を置く高級陶磁器メーカーのことです。「ノリタケ」は、会社が創業した愛知県愛知郡鷹場村大則武という地名に由来しています。1904年（明治37）に日本陶器合名会社として設立され、日本で初めて高級洋食器を生産し、明治から戦前にかけて欧米へ盛んに輸出を行っていました。

凝ったデザインは国内外で高い人気を誇っていましたが、第二次世界大戦の影響で多くの職人や設備を失い、戦後しばらくは「ノリタケ」の名は使わず「ローズチャイナ」という名前で製品を売り出しました。その後復興により高品質な製品が再び作れるようになり、「ノリタケ」の名を冠する製品が復活。日本の経済発展に伴いファインセラミックスや電子部品などの他分野にも進出し、1981年（昭和56）には会社名を「ノリタケカンパニーリミテド」に改めました。

現在、ノリタケの陶磁器分野は「大倉陶園」という名前でノリタケカンパニーリミテドのグループ会社として営業しています。製品のバリエーションも増加し、従来からあるカップ&ソーサー、プレート、ポット・ピッチャーに加え、子ども用食器やキャラクター製品など、さまざまなアイテムが登場しています。

戦前にノリタケが生産した陶磁器は「オールドノリタケ」と呼ばれ、収集家から高い人気を集めています。絵画をそのまま食器に写したような芸術的なデザインは、とても華やかです。繊細な彩色と装飾、上品な金の縁どりなどが特色で、今もなお多くの人を魅了し続けています。