ブルーオニオン

ブルーオニオンとは、玉ねぎを描いている洋食器のデザインのことです。ドイツの名窯マイセンの絵付師であるJ.D.クレッチマーが、1739年に考案しました。その後各地で人気を集めたため、マイセン以外にもさまざまな陶磁器メーカーやブランドがブルーオニオンを作成するようになりました。

現在世界中で確認されているブルーオニオンは、50種類以上です。あまりにも類似品が増加したため、ブルーオニオンを考案したマイセンでは、1985年頃から双剣マークを描くようになりました。本家本元のマイセンに加え、ドイツのフッチェンロイターとチェコのカールスバードは、世界3大ブルーオニオンと称されています。

マイセンのブルーオニオンの特徴は、筆づかいまで見られるほど繊細な描写。職人が手作業で、ひとつひとつ丁寧に生産しています。フッチェンロイターのブルーオニオンはマイセンからパターンを譲られているため、両者は作風がよく似ているのが印象的です。またフッチェンロイターオリジナルで、金彩を加えた「ブルーオニオン プレミアム」も登場しています。カールスバードのブルーオニオンは、丸い器形と濃いめの彩色が特色です。

ブルーオニオンの起源は、中国の陶磁器によく描かれていたザクロ文様です。しかしながら当時のヨーロッパではザクロの認知度が低く、ザクロを玉ねぎと間違えたことから「ブルーオニオン」と呼ぶようになったと考えられています。もともとは中国陶磁器のザクロを忠実に模写していたものの、次第に玉ねぎの形に変形していったという説も。由来となった玉ねぎ以外にも、桃・蓮・竹といった東洋の縁起が良い絵柄を描いた製品もブルーオニオンとして登場しています。