マスキング

マスキングとは、色を付けたくない箇所をテープなどで覆ってから着色する絵画技法のことです。主に水彩画で使われています。マスキングの手順はとても簡単で、白抜きしたい所にテープ等を貼り、その上から絵具で着色し、絵の具がある程度乾いたらテープをはがすだけです。

マスキングをする際によく使われる道具は、マスキングテープです。マスキングテープの幅は3~30mmのものが多く見られ、直線的な白抜き・塗り分けができます。マスキングテープを貼る際は、テープの下に絵の具が入り込まないよう、しっかりと画用紙に密着させるように貼ることが大切です。

マスキングテープ以外にも、マスキングインクやマスキングフィルムを使うこともあります。マスキングインクを使う際は、普通の絵具と同様、絵筆のような画材でインクを取り、絵を描くようにマスキングした箇所にインクを乗せます。マスキングインクを剥がすときは、指の腹やラバークリーナーでこすって落とすのが一般的。絵筆で自由に線を描写できるため、マスキングテープよりも複雑な形を描きやすいのがマスキングインクの特徴です。

マスキングフィルムはマスキングテープよりも幅広のものが多く、広い範囲を塗り残したいときに活躍する画材です。時には最初に画用紙全体をマスキングフィルムで覆い、着色したい箇所だけカッターで切り抜いて色を塗ることもあります。粘着力は強すぎず弱すぎず、剥しても画面に跡が残りにくいのが特徴です。白抜きしたい所だけでなく、色を細かく塗り分けたいときにもマスキングの技法は使われます。