ロイヤルクラウンダービー

ロイヤルクラウンダービーとは、イギリスのイングランドのダービーにある磁器メーカーのことです。滑らかな乳白色の磁器「ボーンチャイナ」の品質が、特に高いことで知られています。1750年頃に創業し、テーブルウェア(食卓用食器)と観賞用磁器の両方を作り続けています。

1775年には、当時のイギリス国王ジョージ3世から「クラウン」の栄誉を賜りました。しかし1790年代の経営陣と熟練職人のそりが合わなくなる事態が発生。優秀な人材は会社を辞めて自分たちで新しい工房を設立し、職人がいなくなった会社は財政難に陥りました。

財政難に陥った状況を打破したのが、1815年に経営者となったロバート・ブルアです。彼はセールスマンや事務員としての経験を活かし、初めに財政状況を改善します。さらに当時流行していた日本趣味に着目し、伊万里焼から着想を得た「オールドイマリ」で会社を成長させました。

1890年にはヴィクトリア女王から「ロイヤル」の称号を賜り、2つの王室御用達の称号を冠する「ロイヤルクラウンダービー」となります。1790年代に分裂した熟練の職人たちの流れを汲む工房は1935年に合併し、およそ140年ぶりにロイヤルクラウンダービーがひとつにまとまりました。

ロイヤルクラウンダービーのコレクションは「オールドイマリ」に加え、エリザベス2世がウィンザー城の朝食で使っていた「ロイヤルアントワネット」、バラを中心にブーケのような意匠をあしらった「ポジー」などがあります。どれも金の縁取りや淡く繊細な彩色などが目を引き付ける、美しいコレクションです。