ロールストランド

ロールストランドとは、スウェーデンに拠点を置く食器ブランドのことです。スウェーデン王室御用達であるのに加え、ノーベル賞の授賞式の晩さん会で使用する食器も生産しています。1726年にスウェーデンのロールストランド城に工房を建て、ドイツから陶磁器職人のヨハン・ウルフを呼び寄せて生産を開始しました。

工房が設立した時代はヨーロッパ諸国の王侯貴族のなかで中国の磁器が大流行しており、各国が自国でも同じものを再現しようと意欲的に活動している時期でした。スウェーデンも例に漏れず、中国の磁器を再現するためにロールストランドを設立。当初は中国の磁器を参考に、白地の磁器に青色で絵付けを施した、シノワズリの食器や花瓶を生産していました。

19世紀後半から20世紀前半にかけてロールストランドの工場は大きく成長し、隣国のフィンランドに「アラビア」というブランドの工房を開いたり、1900年開催のパリ万国博覧会でグランプリを獲得したりもしました。1991年にはノーベル賞90周年を記念して、晩さん会用の食器はスウェーデン産のものを使うことになり、ロールストランドの食器が選ばれます。

ノーベル賞の晩さん会で使用した食器シリーズは「ノーベル」と名付けられ、金色の美しい縁取りが印象的です。ほかにもロールストランドは、青で花柄を描いた北欧デザインの「モナミ」、表面にうっすらとあしらったレリーフが上品な「スウェディッシュ・グレース」、リンゴの断面をダイナミックに描いたデザインが特徴の「エデン」など、さまざまなシリーズを発表しています。