茶道具

茶道具とは、抹茶や煎茶などのお茶の種類に関わらず、茶道で使用する道具の総称です。点茶用具・懐石用具・待合用具・水屋用具・装飾用具の、大きく5つに分類されます。点茶用具とは、お茶を点てるために使用する用具のこと。「茶碗」や「茶杓」、お茶の粉末を入れる「茶入れ」といった小さなものから、茶釜のような大きなものまで、様々な道具が挙げられます。

懐石用具の代表的な例は、茶席で出す料理を載せるお盆「折敷」や、食事に使う4つのお碗をセットにした「四つ椀」など。茶会によってはお茶を飲む前に食事が振舞われることもあり、懐石用具はその時に使う道具のことを指します。待合用具は、円座や喫煙用具といった茶会に招かれた客が茶室に通されるまで過ごす、待合室のような場所で使用する用具のことです。

水屋用具はお茶を点てるときに使う補助的な備品で、水桶や茶筅、茶碗を拭くために使う「茶巾」などがあります。装飾用具として挙げられるのは、生けた花を飾る「花入れ」やお香を入れる「香炉」、床の間を飾る掛物など茶室を飾る装飾品です。掛物は掛け軸を指すことが多いのですが、茶会で使われる作品は茶道具に分類されます。

茶道具は茶碗や茶杓などの道具そのものだけでなく、道具を入れる箱までもが評価の対象になるのが特徴です。箱には制作した人物や時期が記載されていることが多く、真贋を判別するときに使われます。焼き物の場合は、側面や裏面に花押を配しているケースもあり、作者の特定に役立ちます。