香蘭社とは、佐賀県に本社を構える有田焼の老舗のことです。有田焼は17世紀初頭から佐賀県で生産が続いている焼き物です。香蘭社の前身となる工房は、1689年（元禄2）に設立しました。幕末から明治の動乱の時代を越え、当時の職人や商人をまとめ上げ、1875年（明治8）に合本組織香蘭社として再スタートを切り現在に至ります。

合本組織香蘭社として活動を始めると、香蘭社は有田焼の輸出に力を入れ、世界中で開催される万国博覧会に何度も製品を出品します。褒状や金賞の受賞などを通して、世界的な評価を高めていきました。1896年（明治29）には宮内庁御用達にもなり、陶磁器を製造する会社として一定の地位を確立しています。

香蘭社の陶磁器の特徴は、有田焼の伝統様式を大切に受け継ぎつつ、独自のスタイルを確立しているところです。色絵による繊細な描写やクラシカルな風合いなど、1つ置くだけで場が華やぐような美しい製品を製造しています。有田の伝統を一歩前進させたスタイルは、「香蘭社スタイル」「香蘭社調」とも称されています。

現在、香蘭社では高級品と普段使い向けの2種類のコレクションを展開しています。高級品は繊細なレリーフを施した「ピンストライプ」や明治時代にデザインされた「愁海棠」、普段使いならアーティストのKAORUKOとコラボした「KAORUKO」やリラックスしたいときに使うことをイメージした「SLOW」などが人気シリーズ。香蘭社は製品ラインナップもとても豊富で、幅広いニーズに対応しているブランドです。