ビングオーグレンダール

ビングオーグレンダールとは、デンマークで創業した食器ブランドのことです。1853年にビング兄弟と、ポーセリンアーティストのフレデリック・ヴィルヘルム・グレンダールが共同で設立しました。デンマークではロイヤルコペンハーゲンと並び、国を代表するブランドとして国民からも親しまれています。

ビングオーグレンダールが世界で知られるようになったきっかけは、クリスマスのイヤープレートの生産です。ロイヤルコペンハーゲンより13年早い1895年から生産しており、デンマークの情景をイメージした絵をあしらったプレートが毎年発表されています。1回目の1895年に生産されたイヤープレートは400ピースのみで、現在もコレクターから高い人気を集めています。

イヤープレートの生産には手間をかけており、アーティストが作成した下絵をもとに職人が彫刻を施したり彩色したりと、丁寧に作っているのが特徴です。1895年から120年以上、世界恐慌や第二次世界大戦の間も絶えずイヤープレートを発表しており、ビングオーグレンダールはイヤープレートの元祖ブランドと呼ばれることもあります。

ビングオーグレンダールではイヤープレートの製造で培った技術を活かし、さまざまな食器シリーズを生産し続けています。特に人気を集めたのはカモメを描いた「シーガル」で、絶頂期にはデンマーク家庭の1割は所有していたとの推計も。ほかにも磁器製のオブジェの生産も手掛けており、国民をはじめ世界中の人々に愛され続けているブランドと言えます。