アイカ・クリスタル

アイカ・クリスタルとは、ハンガリーのクリスタルガラスメーカーのことです。透明なガラスに色ガラスを被せることでガラスに色を付ける、「色被せガラス」の生産に力を入れています。ヨーロッパでも特に大規模な工場を所有しており、生産される製品のうち90%は世界中の有名ブランドへの輸出が占めています。

アイカ・クリスタルの特徴は、美しいラベンダー色の色被せガラスです。一般的に色被せガラスは濃い色の方が作りやすく、淡い色をきれいに発色させるのは至難の業と言われています。薄くて繊細なラベンダー色のガラスは、アイカ・クリスタルの代名詞です。ハンドメイドにもこだわっており、機械生産とは異なるあたたかみのある雰囲気も特色です。

アイカ・クリスタルは1878年に、ハーナード・ノイマンという人物によって創業されました。ハンガリー西部の「アイカ」という村で設立し、メーカー名にも使用しています。第二次世界大戦の頃には材料不足や人員不足の影響で営業を一時停止しますが、終戦した翌年の1946年に生産を再開。1948年には従業員が400人を超え、国有化されました。

1990年代に民営の企業に戻り、1991年には陶器の絵付け工場を建ててさらに事業を拡大させています。現在も色被せガラスの生産を続けており、新しいグラスや置物、テーブルウェアなどが続々と登場しています。淡い色合いの色被せガラスと、繊細かつ華やかなガラスのカットで、100年以上世界中の人々を魅了し続けているメーカーです。