サルガデロスとは、スペインの陶磁器メーカーのことです。スペイン北西部に位置するガリシア地方伝統のデザインを使用し、良質なカリオンによる美しい地肌が魅力。青色を使った製品が多く、深みがあり鮮やかな発色が特徴です。品質の良さにも定評があり、スペインから各国首脳への土産品に採用されたこともあります。
サルガデロスの歴史は、1788年から始まります。当初は製鉄所として稼働していましたが、18世紀末から19世紀初頭にかけて、製鉄所の営業で培った技術を活かして陶磁器工場も設立し、製陶も開始しました。工場があった土地の近くから、陶磁器の生産に使える良質なカリオンが産出していたのも追い風になったようです。当初は、青みがかった色や白色の皿、花瓶、水差しなどを作っていました。
1845年にはおよそ1,000人が働くほど大きく成長し、品質の高さが評判となり、スペイン女王のイサベル2世にも陶磁器を献上するようになります。しかしその後の経営悪化や創業一族の不和などにより、1875年に工場は閉鎖されました。営業が再開ぢたのは約100年経過してからで、芸術家兼ビジネスマンのイサック・ディアス・パルドと、画家のルイス・セオアネを中心に復活しました。
現在のサルガデロスはガリシア地方に工場を2つ持っており、現地に古くから伝わるホタテ貝をモチーフにした「コンチャ」や、古代集落の遺跡で発見された模様から着想を得た「エンカドレラド」など、さまざまなシリーズが登場しています。