フォーチュンテリングカップ

フォーチュンテリングカップとは、紅茶占い用のティーカップのことです。「フォーチュンカップ」と呼ばれることもあります。紅茶を飲み終えた後、ティーカップの中に残った茶葉の模様や位置をもとに運勢を占います。主に、19世紀のイギリスでティータイムの遊びとして親しまれました。

フォーチュンテリングカップを考案したのは、イギリスのデザイナーであるネヴィル・ネルロスです。1900年代から1920年代にかけてさまざまな種類が発表され、惑星記号やシンボルマーク、トランプなどがティーカップの内側に描かれているのが特徴。占い方を記載したブックレットが付属しているものもあり、専門知識がなくても気軽に試せたのも人気が出た理由のひとつと考えらます。

占い方の一例は、まずは茶こしを使わず、茶葉が入るように紅茶をティーカップに注ぎます。お茶を少し残すように飲んだ後、ティーカップを軽く回して茶葉にすべてのシンボルの上を通らせます。ティーカップをソーサーに伏せて余分な茶葉を落とし、ティーカップを持ち上げて残った茶葉の位置をもとに運勢を占います。

なかにはソーサーにもシンボルをあしらい、統一感のあるデザインでティータイムと占いの両方を楽しめるものもあるのが特徴。フォーチュンテリングカップを生産していたメーカーの代表例としては、イギリスのエインズレイが挙げられます。通常の製品と比べると生産量や時代が限定されているため、希少性もあるカップです。