サルグミンヌ

サルグミンヌとは、フランスにあった陶磁器メーカーのことです。「サルグミーヌ」と呼ばれることもあります。メーカーが拠点を置いた、サルグミンヌという町にちなんで名づけられました。二コラ・アンリ・ジャコビという人物を中心に工場を建てたことをきっかけに、18世紀末ごろに創業しました。

1800年にドイツ出身のポール・ウッツシュナイダーに工場の経営権が移り、赤い磁器「カルメルの土」や褐色の「エジプトの土」といった新しい陶土が生み出されました。品質の高さも評判となり、当時フランス皇帝となっていたナポレオンもサルグミンヌの製品を注文したと伝わっています。1836年にポールは経営から退き、義理の息子であるアレクサンドル・ガイガーが経営権を引き継ぎました。

アレクサンドルは工場に蒸気機関を導入したり、煙突から出た灰が周辺家屋に積もらないよう建物の構造を工夫したりして、さらにサルグミンヌを成長させました。しかし1870年にフランスとドイツの間で領有権問題が起こり、普仏戦争の結果サルグミンヌの町はドイツ領なることが決定したのです。サルグミンヌは拠点をディゴワンに移し、陶磁器作りを続けることになりました。

その後会社組織の分離と統合、ビレロイ・ボッホの傘下への編入などを経て、1978年にリュネヴィルグループに買収されました。装飾タイル・食器・装飾陶器といったさまざまな製品の生産に取り組みましたが、2007年に工場が閉鎖され、200年を超える歴史に終止符を打ちました。