ロンウィー

ロンウィーとは、フランスのロレーヌ地方で創業した陶器メーカーのことです。1798年に、ロレーヌ地方にあるロンウィーという町で活動を開始しました。創業者は、シャルル・レ・ニエです。ロンウィーの古い修道院に作陶工房を作ったのが始まりとされています。主な製品はティーカップや食器で、現在も活動が続いています。

ロンウィーが飛躍するきっかけになったのは、1804年に皇帝ナポレオンがロンウィーを訪れた際、テーブル食器を発注したことです。19世紀に入ると東洋から輸入された磁器に人気を奪われそうになりましたが、イタリア人のアメディ―・ドゥ・カレンツアを招き、七宝焼きの技術を取り入れます。七宝焼きの技術を取り入れたことでロンウィーならではのエナメル焼きが生まれ、陶器メーカーとして一定の地位を確立しました。

ロンウィーが作る陶器の特徴は、「クロワゾネ」という七宝焼きの技術と、多くの作品にターコイズブルーを用いているところです。クロワゾネは陶器の上に金属線で輪郭を描き、枠内にエナメルを注いで装飾する技法のこと。ロンウィーは高い技術力と華やかな装飾が評価され、1931年にパリで開催された国際博覧会では、アールデコ部門で金メダルを受賞しました。

その後、第二次世界大戦の影響で活動が一時停止しますが、1941年に生産を再開。現在は「Manufacture des Emaux de Longwy 1798」として伝統的な手作業での生産を守りながら、アーティストとのコラボ製品や現代アート作品などの制作が続いています。