パブロ・ピカソ

パブロ・ピカソは、19世紀から20世紀にかけて活躍した画家です。絵画だけでなく彫刻・陶芸・版画など幅広い分野の作品を残し、「キュビズム」という新しい美術表現の登場に関わった1人であることから、「20世紀最大の画家」とも称されています。1881年にスペインで生まれ、1972年にフランスで亡くなりました。

ピカソは生涯において作風が何度も変化しており、それぞれを「○○の時代」と表現されています。まず登場するのは「青の時代」で、親友の死や自身のうつ病の影響を受け、死や孤独をテーマにした作品が多く制作されました。1904年から1906年は「バラの時代」と呼ばれており、明るい彩色でピエロやサーカスといった楽しい題材を描きました。

その後はアフリカやイベリア半島の原始美術をテーマにした「アフリカ彫刻の時代」、題材を幾何学的に分解して表現する「キュビズムの時代」、第一次世界大戦の頃に制作された「新古典主義の時代」、夫婦関係の悪化による精神的な不安定さを反映した「シュルレアリスムの時代」などに分けられます。また1930年代以降の作品は「後期作品」と呼ばれることもあり、スペイン内戦をテーマにした作品が残されています。

どの作品にも強いメッセージが込められているのが、ピカソの作品の特徴です。代表的な作品としては、スペイン内戦の爆撃の様子を描いた『ゲルニカ』、キュビズムの手法を反映している『マンドリンを弾く少女』、青の時代に制作された『海辺の母子像』などが挙げられます。