ポール・ゴーギャンとは、フランスの画家のことです。1848年にパリで生まれ、3歳から7歳まで南米ペルーで過ごし、その後フランスに帰国。1873年頃から株式の仲買人として働くようになると、暇なときは画を描くようになりました。1881年に会社を辞め、妻の反対を受けながらも画家としての活動を開始します。
画家として活動を始めると、パナマ、マルティニーク島、タヒチなどを旅しながら絵を描くようになります。1888年には、南フランスのアルルで9週間ほどゴッホと共同生活を送りました。少しずつ絵も売れるようになりましたが、45歳になる頃には健康状態が悪化。1901年に長年望んでいたマルサケス諸島に移住し、1903年に54歳で亡くなりました。
ポール・ゴーギャンの作品の特徴は、メッセージ性の強さと、宗教画のような構図です。写実を推進する印象派に対し、ゴーギャンは画家自身の内面や考えを作品に表現する「象徴主義」という考えを重視しました。原色を積極的に取り入れた鮮やかな彩色も特長で、これは当時パリで流行していた日本の浮世絵の影響を受けていると考えられています。
ゴーギャンの代表的な作品としては、パリ郊外のヴォジラールという場所の景色を描いた『ヴォジラール市場』、浮世絵のような平面的な表現が特徴の『黄色いキリスト』、タヒチ島滞在中に描いた『タヒチの女』などが挙げられます。没後さらに名声を獲得するようになり、現在は印象派の後に登場した「ポスト印象派」の画家として評価されています。