ジョセフ・アルバース

ジョセフ・アルバースとは、ドイツ出身の美術家のことです。1888年3月19日に、ドイツのボトロップという街で生まれました。父は塗装・大工・便利屋として働き、母は鍛冶屋の技術を持っており、ものづくりが身近にある家庭環境が将来のジョセフ・アルバースに影響を与えました。

ドイツで美術や建築などの総合的な教育を行う「バウハウス」に通い、卒業後はバウハウスで教師として活動しました。1933年にバウハウスが閉鎖されると、アメリカに移住します。アメリカではブラック・マウンテン・カレッジやイエール大学などで美術教育を行い、バウハウスの理念をアメリカに伝えました。教え子のなかにはロバート・ラウシェンバーグサイ・トゥオンブリーなど、アメリカの第一線で活躍する芸術家もいます。

ジョセフ・アルバースの作品の特徴は、色彩の相互作用を活かしているところです。色が周囲の他の色と影響を与え合い、見え方が変化することに注目しています。同じ構図のなかに異なる色を配置して、色の組み合わせによって視覚的な効果が変化することを表現した作品を多く残しました。色彩と形態の関係の研究にも熱心に取り組み、教育者としても活動したジョセフ・アルバースは、1976年3月25日にアメリカのニューヘイブンという街で生涯を終えました。

ジョセフ・アルバースが制作した代表的な作品は、『正方形讃歌』シリーズです。さまざまな大きさの正方形を規則的に重ねて彩色を施しており、自身が手掛けていた色彩と形態の研究の内容が伺えます。20年以上かけて2000点以上の作品を制作しており、ジョセフ・アルバースを象徴すると言えるシリーズです。