ルフィーノ・タマヨとは、メキシコの画家のことです。本名はルフィーノ・デル・カルメン・アレジャネス・タマヨで、1899年にメキシコの先住民サポテク系の家で誕生しました。1910年から1917年にかけてメキシコ革命が起きた間も自身の創作活動に集中し、メキシコの伝統を重んじた作品を制作しました。
1917年には国立造形芸術学校に入学し、印象主義、キュービズム、フォービズムなどさまざまな画法を学びます。メキシコ・シチィでは個展を開催し、1926年にニューヨークへ渡りました。1929年にメキシコに戻った後は新聞や雑誌で高い評価を受け、1937年にふたたび渡米。1949年から10年間パリで過ごし、1959年にメキシコに戻りました。1979年には出身地のオアハカでルフィーノ・タマヨ美術館が設立され、1991年に亡くなりました。
ルフィーノ・タマヨの作品の特徴は、豊かな彩色です。メキシコの伝統的な彩色を基本とし、19世紀後半から20世紀にかけて起こったモダニズムの影響も受け、鮮やかな色を大胆に使った作品がたくさん制作されています。視覚的なインパクトがある作品が多く、2007年には『三人の人物』が100万ドルを超える価格で落札されました。
ルフィーノ・タマヨの代表的な作品としては、1972年制作の『男と女』、1980年制作の『棒を持つ人』、1989年制作の『赤い人物』などがあります。日本国内では、名古屋市立美術館所蔵の『黒人の仮面』や『夜の踊り子たち』、東京国立近代美術館所蔵の『縞模様の人物』などを見ることができます。

