ローストフト磁器工場とは、イギリスに存在した磁器工場のことです。設立時期については不明な点が多く、1757年頃に創業したと考えられています。ロバート・ブラウンという人物が、他の共同経営者とともに工場長を勤めていました。1770年までに、社名が「ロバート・ブラウン・アンド・カンパニー」が変更されています。
1771年にロバート・ブラウンが亡くなると、息子が経営者になり、多色の絵付けを導入したり、量産化に成功したりしました。その後はスタッフォードシャーの陶器との競争が激化し、1795年頃から生産量が減少。1800年頃には、工場での生産は停止していたと考えられています。窯の跡地には醸造所と麦芽窯が造られましたが、これらの建物も1955年に取り壊されました。
ローストフト磁器工房の製品は、創業年~1761年頃の初期、1761年頃~1768年頃の中期、1768年頃~工場閉鎖の後期の3つに分けられます。初期は中国風の景色や文様を描いた装飾品がよく生産されました。中期の終盤から後期にかけては、エナメルの上絵付けが用いられ、白や青を用いた多色彩色が施されました。全体を通して、ローストフト磁器工房の製品は中国の磁器の模範に由来する「レッドグレイブ」がよく作られており、牡丹をモチーフにした装飾も見られます。
祝賀会・選挙・結婚式といったイベントや節目のための製品がよく作られており、日付・所有者名・銘文が記されたものもよく見つかっています。「ローストフト」という地名が刻まれたものもあり、当時観光地として人気が高まっていたローストフトのお土産として扱われていた可能性があります。

