ゴブラン織とは、フランスで製作されたタペストリーのことです。ゴブラン織の起源は、染色家の一族であるゴブラン家で、15世紀中ごろにパリに拠点を設けたと考えられています。絵画のような繊細な色使いと華やかさ、織物ならではの重厚感を兼ね備えており、フランス王家をはじめ、多くの上流階級の人々に愛されていました。
1602年に当時のフランス国王アンリ4世が、タペストリー製作者のマルク・ド・コマンとフランソワ・ド・ラ・プランシュのために、ゴブラン家から土地を借りたことで、少しずつゴブラン織の生産体制が整っていきます。1662年には、当時のフランス国王ルイ14世の財務総監ジャン=バティスト・コルベールが購入し、内装品が生産されるようになりました。
1694年には財政上の問題が発生したため、工場は閉鎖されましたが、1679年に王室御用達の工場として再開します。その後は、フランス革命が発生したことにより操業が一時中断されますが、19世紀前半に復活します。1826年には、タペストリーに加え、絨毯も生産されるようになりました。1871年にパリ・コミューンの乱で建物の一部が焼失しましたが、工場は現在に至るまで国営工場として操業を続けています。
織り目が密に詰まっており、耐久性に優れているのがゴブラン織の特徴です。近年では、ゴブラン織のようなデザインの生地の総称として、「ゴブラン」という言葉が使われることもあります。タペストリーだけでなく、バッグや雑貨などにも幅広く使われ、今もなお世界中で愛されている織物です。

