ヴェッツィ磁器工房とは、イタリアのヴェネツィアで創業した磁器工房のことです。1720年にイタリアのヴェッツィ家によって創業されました。1721年にはクリストフ・コンラート・フンガーを共同経営者に迎え、ヴェッツィ磁器工房はマイセン磁器とウィーン磁器に次いで、ヨーロッパで3番目に硬質磁器の生産に成功しました。
しかし、クリストフ・コンラート・フンガーが1724年にヴェネツィアを離れたことをきっかけに、磁器の生産に必要なカリオンの供給が途絶えます。1727年には、ヴェッツィ磁器工房は事業を停止することになりました。活動期間はわずか7年程度で、現存する製品は少なく、200点に満たないと考えられています。
ヴェッツィ磁器工房の活動期間はとても短いものでしたが、その中でも数々の優れた作品を生産しています。磁器の素地は白もしくは灰色がかったものが中心で、美しい透明感があります。女優のレリーフやデフォルメ化した風景など、絵画のような絵付けを施したものもたくさん作られました。
現在確認されている製品は、カップ&ソーサー、ティーポット、小皿などです。特にティーポットの作品は現存している数が多く、鮮やかな彩色で絵付けを施したものや、レリーフ装飾を施したものがあります。カップは取っ手がなく、日本の湯呑のような形をしているのが特徴です。一部の作品は、ニューヨークにあるメトロポリタン美術館や、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館に収蔵されています。

