トゥルネー磁器

トゥルネー磁器とは、ベルギーにあるトゥルネーという街で生産される軟質磁器のことです。1670年に最初の工場が設立され、18世紀半ばまでさまざまな工房が設立されました。1750年には、ネーデルラント総督の庇護のもとで磁器工房を設立する許可がもらえるよう請願する人物が現れるほど、盛んに磁器が作られるようになります。

ネーデルラント総督の庇護のもとで磁器工房を設立するための請願をしたのは、フランソワ・ジョセフ・ペーターリンクという人物です。請願が認められた後、トゥルネーでは品質の良い磁器を大量に生産できるようになりました。ついには品質の良さがハプスブルク帝国の君主であるマリア・テレジアにも認められ、王立窯の認定を得るまでに成長します。

トゥルネー磁器の特徴は、美しい白磁に青色で絵付けを施した、東洋風の食器を主に生産しているところです。繊細なレリーフ装飾を施したものもあり、シンプルながら上品な印象を与えるプレートやカップが現存しています。白磁の美しい光沢感が感じられるのも、トゥルネー磁器の魅力です。

トゥルネーで生産された磁器のなかには、ブリュッセルにある王立美術館やマリーモント王立博物館に所蔵されているものもあります。オランダやフランスといった隣国にもトゥルネー磁器の評判が広まりましたが、傷が付きにくい硬質磁器の生産が盛んになると、徐々に姿を消しました。現在残っているトゥルネー磁器の多くは、アンティーク品としてコレクターから注目を集めています。