ルーアン焼

ルーアン焼とは、フランス北部に位置するルーアンという街で生産されている磁器のことです。鮮やかな絵付けを施しているのが特徴で、現在もアトリエがあり、生産を続けています。ルーアン焼の生産を開始したのは、フランスのルネッサンス期に陶工として活躍したマッセオ・アバケンという人物です。

マッセオ・アバケンはルーアン焼の生産を主導するのと同時に、フランスにあるエクアン白やウルフェ城のタイル装飾を担当し、さまざまな場所で活動していました。当時ヨーロッパで流行りつつあった、イタリアのマヨルカ焼をルーアン焼に取り入れ、多彩な絵付けの源流を作ります。生産スピードの高さにも定評があり、全工程が手作業だった時代に、4000本を超える壺の生産を引き受けたというエピソードもあります。

鮮やかな絵付けが特徴のルーアン焼は、時代とともにデザインが変化してきました。ルーアン焼の生産が始まった16世紀ごろの作品は、マヨルカ焼のようなデザインで、手作りならではの風合いを感じられる素朴な絵付けが施されています。17世紀になると青一色で統一した華やかなデザインのものが増え、ルイ14世が好んでいたこともあり、貴族からの注目も集めました。

18世紀に近づくにつれ、装飾性が増した華やかなものや、東洋風の絵付けを施した作品が増加しました。同じ土地で作られたと思えないほど、時代に合わせてデザインが変化しています。製品のバリエーションも豊富で、瓶やマスタードポット、ポプリを入れるための小瓶など、さまざまなものが生産されました。