バックスタンプとは、陶磁器の底面や裏面に記される刻印や紋章のことです。日本語では、「裏印」や「窯印」と呼ばれることもあります。かつては、多くの職人が共同で1つの窯を使用し、陶磁器を生産していました。自分が作ったものと他の人が作ったものを区別するため、名前や印を刻んだのが始まりと考えられています。
18世紀になり、ヨーロッパで陶磁器の生産が本格化すると、王立窯を中心に品質と権威を示すため、マークを用いるようになります。たとえば、ドイツのマイセンでは、1720年代から青い双剣のマークを用いました。19世紀末から20世紀にかけては、アメリカのマッキンレー関税法の影響で、アメリカへ輸出する製品には原産国を表示するのが義務付けられます。これにより、バックスタンプはブランド名だけでなく、製造国も刻むようになりました。
バックスタンプの主な役割は、ブランドの特定や製造年代の推定です。同じブランドでも、製造年代によってロゴのデザインが異なる場合があるため、アンティーク品の年代特定の手掛かりになります。ほかにも、バックスタンプが品質の証明になるケースもあります。たとえば、ロイヤルコペンハーゲンでは、二級品の製品にはバックスタンプにあえて傷を入れるようにしているのです。
また、バックスタンプにはシリーズ名やデザイナーのサインが含まれることがあります。底面や裏面にあしらわれている小さな刻印でも、たくさんの情報を読み取れるのが、バックスタンプの特徴です。

