ポスト印象派

ポスト印象派とは、印象派の後、1880年代からフランスを中心に活躍した画家たちのことです。日本では、「後期印象派」とも呼ばれています。「ポスト印象派」と呼ばれるようになったきっかけは、1910年にイギリスの批評家ロジャー・フライが、マネ以降のフランス美術を総称するために考案したからとされています。

印象派が「光の変化」という外的な現象の表現を追求したのに対し、ポスト印象派は画家の内面や構造を重視しました。現実の色をそのまま写すのではなく、感情を伝えるために非現実的で大胆な色彩を使用しました。物体の形を強調して幾何学的に捉えたり、デフォルメ化したりするのも、ポスト印象派の特徴です。ほかにも自身の記憶、夢、精神世界を描くこともありました。

ポスト印象派を代表する画家としては、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌが挙げられます。ゴッホは鮮やかな彩色が特徴で、『星月夜』や『ひまわり』を制作しました。ゴーギャンは『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』『説教の後の幻視(天使とヤコブの闘い)』、セザンヌは44点の油絵と43点の水彩画から構成される『サント=ヴィクトール山』や『りんごとオレンジ』という作品を残しています。

ポスト印象派の影響は後世の芸術運動にも影響し、幾何学的な構成はキュビズム、感情を表現することは表現主義やフォービズムに受け継がれています。また、ポスト印象派の精神的な深みを追求する側面は、象徴主義やナビ派にも波及しました。