クラウン・スタッフォードシャー

クラウン・スタッフォードシャーとは、イギリスのストーク・オン・ロレントに存在した陶磁器メーカーのことです。1880年代に設立され、1890年代に社名を「クラウン・スタッフォードシャー」に変更しました。諸説ありますが、前身となる窯は1840年代に作られたと考えられています。

クラウン・スタッフォードシャーは、設立当初から高品質なボーンチャイナを生産していました。高い技術力を持つ絵付師や陶磁器職人を多数抱えており、万国博覧会をはじめ数々の賞を受賞しました。特に、花びらを1枚ずつ手作業で作る「ポーセリン・フラワー」の美しさは高く評価され、ブローチや置き物として多くの人に愛されました。

第二次世界大戦が終戦した後も、伝統的なイギリスの陶磁器の様式を維持しつつ、モダンなデザインも取り入れて、市場の変化に柔軟に対応します。しかし1970年代に業界再編が進むと、ウェッジウッド社に吸収され、1980年代には「クラウン・スタッフォードシャー」のブランド名も市場から姿を消しました。代表的なシリーズは、躍動感のある馬や獲物を追う猟犬などを描いた「ハンティングシーン」です。

クラウン・スタッフォードシャーの陶磁器の特徴は、緻密な花柄を取り入れているところです。エナメル彩を用いて立体感のある絵付けを施したり、優しい色合いの彩色や金彩を施したりしたものが多く、当時の上流階級の人々のティータイムにも用いられました。バックスタンプは時代によってデザインが異なりますが、王冠をモチーフにしたものが多く確認されています。