アラビア

アラビアとは、フィンランドの陶器ブランドのことです。1873年に、フィンランドの首都ヘルシンキ郊外のアラビア地区(アラビア通り)という場所で創業しました。北欧食器ならではの鮮やかな色彩と華やかな絵柄が特徴で、現在はコレクションだけでなく、日常使いの食器としても人気があります。

アラビアは、スウェーデンのロールストランド製陶所という会社の子会社として設立されました。フィンランドは長らくスウェーデンに帰属していましたが、アラビア創業当時はロシアの統治下に置かれていたため、ロールストランド製陶所はフィンランドを足掛かりにロシアへの進出を計画していたようです。

アラビア創業当初は、ロールストランド製陶所の子会社として白磁器を製造したり、ロールストランドからやって来た職人が絵付けを施したりしていました。その後名家のディナーセットの生産やカタログ販売などを行い、1916年にはロールストランド製陶所から独立するほどまでに成長します。

第二次世界大戦後は実用性に優れた「キルタ」シリーズが爆発的な人気を呼び、1984年にはかつての親会社であったロールストランド製陶所がアラビアの傘下に入ることに。さらに1990年のハックマングループによる買収、2007年のフィスカースグループによる併合を経て今に至ります。現在「アラビア」という名前の工房はありませんが商標としては使い続けられており、新作の発表や人気アーティストとのコラボなど、精力的に活動しています。