アンティーク

アンティークとは、フランス語で「古美術」や「骨董品」を意味する言葉です。ラテン語で「古い物」という意味の「Antiquus(アンティクウス)」が語源になったと考えられています。もともとは古代ギリシア・ローマの遺物が「アンティクウス」と呼ばれていましたが、次第に市民にも広がり家具や古い美術品を指すようになりました。

アンティークと呼ばれるには、製造から100年以上経過していることが目安とされています。これは1934年のアメリカで通商関税法が制定された際、「100年以上の古い美術品・工芸品・手工芸品には輸入関税を課さない」と決められたからです。さらにGATTとWTOがアメリカの通商関税法の基準を採用したため、「アンティーク=製造から100年以上経過したもの」という認識が広まりました。

アンティークの本場であるヨーロッパでは、製造から100年経過していない物でも「アンティーク」と呼ばれることがあります。製造日から経過した年数よりも、伝統的なデザインの歴史を継承していることや、大量生産で作られた品ではないことが重視されています。

アンティークアイテムは上質な素材で作られたものが多く、壊れても修理して長く使い続けられます。長く使えるぶん、経年変化を楽しめるのも魅力です。アンティークと混同しやすい言葉として、「ヴィンテージ」が挙げられます。ヴィンテージはアンティークよりは古くないけれど時間の経過とともに希少性が高まったもので、目安として製造から30年以上100年未満のものを指します。