カタログレゾネ

カタログレゾネとは、1人の芸術家が作成した作品や、1つの美術館・博物館が所蔵している作品に関する情報を、網羅的に記載している目録のことです。「レゾネ」はフランス語で「論理にかなった」という意味を持ち、作品図版、タイトル、制作年、寸法、素材・技法、来歴、所蔵者、言及論文などについて掲載しています。

もともとは作品の真贋を確かめるための総目録として制作されました。17世紀終わり~18世紀初めに競売カタログとして作られたのが始まりで、その後個人総目録として19世紀後半に一般化します。20世紀以降は図版も掲載されるようになり、商用利用だけでなく美術史研究の資料としても活用されるようになりました。

制作した作品数が多い芸術家や、所蔵している作品数が多い美術館などは1冊に収まらないため、複数冊出版したり、ジャンル別に冊子を分けたりすることも。作品の総目録は必ずしも「カタログレゾネ」の名称で出版されるわけではなく、日本語では「作品全集」という題名が付いているケースもあるため、探す際はタイトルも要注意です。

ただし、芸術作品に関する情報をまとめているカタログレゾネと言っても、完璧なデータがそろっているとは言い切れません。カタログレゾネを発行した後に新しく作品が見つかったり、偽物だったことが判明したりする可能性があるためです。手持ちの作品に関する情報がレゾネと違っている場合は、専門の業者や専門機関への問い合わせが求められます。