サンタマン

サンタマンとは、フランスにあった陶器メーカーのことです。フランス北部にある、サンタマン・レゾーという町で1705年に創業しました。創業したのは、ニコラス・デムウティエールという人物です。サンタマン・レゾーは川と道路があり、製陶で使用する木材や完成した製品を輸送しやすい環境だったのが、創業を後押ししました。

1775年から1928年にかけては工場の売却と再開、フランス革命による工場の一時閉鎖、経営権の引継ぎ、社名の変更など、さまざまな出来事がありました。紆余曲折を経ながらも生産活動は続き、特に20世紀初頭は芸術性に優れた製品を数多く生産しました。20世紀末にはメーカーの規模はかなり大きくなり、700人が働いていたとされています。

1944年に社名が「ムーランデルー」に変更された頃には工場が5カ所稼働していましたが、1962年にすべての工場を閉鎖し、サンタマンの製品の生産が終了しました。250年を超える歴史があるぶんデザインやシリーズの種類も豊富で、現在もコレクターから高い人気を集めています。現在市場でよく取引されるサンタマンの製品は、アンティークやヴィンテージものです。

サンタマンの製品の特徴は、淡い彩色を施しているものが多いところです。シンプルかつ上品なデザインのものが多く、食卓の風景に馴染みやすいのが特色です。淡い青色で繊細な彩色を施した「Campanule」、パステルカラーで草花を描いた「semi-vitrifie」、くすみのある深緑で植物と風景を描いて陶器を縁取った「PERSAN」など、さまざまな製品があります。