ナルミとは、日本の洋食器ブランドのことです。1946年に、愛知県の鳴海で創業しました。戦後間もない状況のなか、残された設備・技術者・従業員が一丸となり、「鳴海製陶所」として活動を開始します。競合他社が規格化しやすいタイルや衛生陶器の製造に注力するなか、鳴海製陶所は製造が難しい洋食器を作っていました。

1962年に強度や電気的特性に優れた「クックマスター」という鍋を開発し、新しい調理器具として人気を博しました。1965年にはアメリカ向けのボーンチャイナ製食器の輸出を成功させ、高級磁器ブランドとして知られるようになります。当時は「ボーンチャイナに手を出すと会社がつぶれる」と言われるほど難易度が高かったため、この出来事はナルミにとって大きな転換点となりました。

その後ナルミはボーンチャイナ製の洋食器を多数発表し、白い器に梅の花をあしらった「ミラノ」、四角いシルエットと滑らかな質感が特徴の「Styles」、ボーンチャイナの美しさを堪能できる真っ白な「シルキーホワイト」など、さまざまなシリーズが登場しています。家庭で普段使いできるものから贈答用の高級感があるものまで、ナルミでは幅広い食器を生産しています。

ナルミのボーンチャイナの特徴は、表面に美しい光沢があることです。釉薬に光をよく反射する「フリット釉」を使用し、つややかな見た目を実現しています。淡い色合いの彩色を施したものや白一色の製品が多く、料理の彩を引き立てる食器を生産しているのも魅力です。