ホドフ

ホドフとは、チェコの陶磁器ブランドのことです。「ショドフ」と呼ばれる場合もあります。1813年に、Frantisek Mieslが創業しました。「チェコ第3の古窯」と呼ばれるほどの歴史があり、ホドフの製品は今もなおコレクターからの根強い人気があります。1900年代の初めごろに、チェコの老舗陶磁器メーカー「Haas&Czjzek」に吸収されました。

ホドフの製品の特徴は、「ピンクポーセリン(別名:ピンクチャイナ)」と呼ばれる淡いピンク色の陶磁器です。土の成分を独自に配合し、生地そのものが乳白色を混ぜたような淡いピンク色に発色するようになっています。着色料を使わないピンクポーセリンの技術は現在も企業秘密になっており、ホドフの製品のみでしか入手できないとも言われています。

絵付けにも力を入れており、葉脈1本1本や花びら1枚1枚を丁寧に描いているのがポイントです。ピンクポーセリンに花を添えるよう、小さな柄を控えめにあしらっています。カップ&ソーサーの縁には金彩を細く入れており、上品な華やかさを感じられます。テーブルに並べるだけで場の雰囲気がパッと明るくなるのが、ホドフの製品の魅力です。

ピンクポーセリン以外の陶磁器も生産しており、透き通るような青を基調としたポットなどが登場しています。生地の色は違いますが、繊細な花柄や控えめな金彩などは共通しています。1900年代初頭にHaas&Czjzekに吸収されてからはバックスタンプが「H&C」になっており、製作年代を推定することが可能です。