ボレスワヴィエツ

ボレスワヴィエツとは、ポーランドにある街の名前です。陶器の名産地として知られており、日本で言う「伊万里焼」「九谷焼」のように、ボレスワヴィエツで生産されている陶器の総称として使われることもあります。街にはツェラミカ アルティスティチナやヴィザなど、知る人ぞ知る陶器ブランドが軒を連ねています。

ボレスワヴィエツは陶器の生産に適した良質な粘土が採れる土地だったため、古くから焼き物づくりが盛んに行われていました。14世紀後半には陶器職人について記載してある書籍が登場し、18世紀には陶器職人による組合も結成。19世紀末には、陶器職人を育てるための学校まで設立されました。現在も陶器の生産は街のいたるところで続けられており、毎年8月には「陶器祭り」も開催されています。

生産開始当初、ボレスワヴィエツではシンプルなデザインの水差しを主に作っていました。絵柄はあしらわず、茶色く発色する釉薬を使用した素朴なものが多かったようです。デザインのバリエーションが豊富になったのは、19世紀末に陶器職人のための学校が設立されてから。以降、工房ごとに個性的な絵柄を用いた食器も生産されるようになりました。

ボレスワヴィエツの伝統的な柄として挙げられるのは、「ピーコック・アイ」。「クジャクの目」という意味があり、円の中心に小さな点を配したものです。色合いは白地の器に青色を使って柄をあしらったものが多く、日本の染付とも通じる雰囲気があります。1,100~1,250度の高温で焼き上げることもあり、耐久性に優れているのも特徴です。