ポール・セザンヌ

ポール・セザンヌとは、フランス出身のポスト印象派の画家のことです。1839年に南フランスのエクス=アン=プロヴァンスで生まれました。中等学校で後に小説家となるエミール・ゾラと親友になり、1857年には素描学校に通うようになります。翌年には大学の法学部に入学しましたが、次第に画家を目指すようになりました。

サロン・ド・パリで落選したり、第1回印象派展で酷評を受けたりと厳しい時期が続きましたが、第3回印象派展以降少しずつ評価されるようになります。1895年には初めて個展を開催しました。1900年にパリ万国博覧会の企画展に参加し、1906年に67歳で亡くなりました。パブロ・ピカソをはじめ20世紀の美術に大きな影響を与えたことから、ポール・セザンヌは「近代絵画の父」とも呼ばれています。

ポール・セザンヌの作品の特徴は、時期によって作風が変わることです。素描学校に通い始めてから十数年間の作品は全体的に暗い雰囲気で、ロマン主義の作風が強く出ていました。1872年以降は印象派の画家と交流したことで、明るい彩色を用いるようになります。1878年以降は印象派から離れ、物体そのものの存在感をはっきりと表現した作品が多く作られています。

ポール・セザンヌの代表的な作品としては、1868年制作の『アシル・アンプレールの肖像』、1873年頃に描かれた『モデルヌ・オランピア』、1890~94年制作の『リンゴの籠のある静物』、1904年制作の『サント・ヴィクトワール山』などが挙げられます。