マイセン

マイセンとは、ドイツ東部のマイセン地方で生産されている陶磁器のことです。ヨーロッパの陶磁器のなかでも特に歴史が古く、今から300年以上前の1710年に創業しました。バロック様式やロココ様式、新古典主義など時代ごとの様式を反映させたものも生産しており、古いものはアンティーク食器として人気を集めています。

17世紀のヨーロッパで中国や日本の陶磁器が流行したことをきっかけに、ヨーロッパ各地では製法を見つけようとする動きが活発化しました。ドイツのザクセン選帝侯アウグスト強王も陶磁器の魅力にすっかり魅了されたひとりで、錬金術師のヨハン・フリードリッヒ・ベトガーの陶磁器の製法を研究させます。ベドガーは1708年に磁器に近いものの生産に成功し、1709年に白磁の製法を解明、1710年にマイセンが誕生しました。

マイセンを象徴するのは、2本の剣が交差するように配置された「剣マーク」です。マイセン誕生のきっかけとなったアウグスト強王の紋章をモチーフにしており、1722年に制定されました。時代とともにデザインも少しずつ変化しているため、アンティークの年代を推定する助けになっています。

2023年時点で、マイセンは10種類以上のコレクションを展開しています。「ブルーオニオン」は、マイセンを代表するコレクションです。中国の染付の技法を活用しており、1739年に誕生しました。ほかにも、水面のさざ波を細かい凹凸で表現した「波の戯れ ホワイト」、ガマズミの花をモチーフにしたレリーフがおしゃれな「ロイヤルブロッサム」などがあります。