マージン

マージンとは、書籍類を印刷する際にできる余白のことです。特に、文章や写真を印刷する印刷面の周囲にある余白を指します。マージンを設ける理由は、本文が汚れるのを防いだり、紙の裁断によって本文が切り取られてしまったりするのを防ぐためです。中世ヨーロッパで出版された聖書・神学書・哲学書は、注釈を記入したり各ページの装飾をしたりするためにもマージンを設けました。

現在は書籍を印刷する際、ページ数・章番号・章タイトルなどを掲載するためにマージンを設けるのが一般的です。また視覚的な効果を用いて読者が書籍を読みやすくするために、マージンの広さを調整することもあります。主に文章を掲載する書籍ではマージンを広く取り入れて視界に余裕を持たせたり、写真を大きく載せるときはマージンをなくして迫力を出したりと、マージンの広さによって様々な効果を得ることが可能です。

時には書籍類だけでなく、版画作品の余白もマージンと呼ぶこともあります。版画の場合は、マージンの部分に作家のサインやエディションナンバーを記載することも。額縁に入れるときはマージンを全て額で覆って画面だけを見せるほか、マージンに記載された作家のサインやエディションナンバーも見えるように飾るケースも見られます。もちろん例外もあり、印刷に使用している紙の素材が特徴的なときや、作家の意向で作品全体を見せた方が好ましいときは、マージンもしっかり見えるように飾ります。