ロブマイヤーとは、オーストリアのグラスメーカーのことです。1823年に、ガラス職人のヨーゼフ・ロブマイヤーがオーストリアの首都ウィーンで創業しました。当初は小さな工房だったのですが次第に知名度が上がり、創業から12年後の1835年には当時オーストリアを治めていたハプスブルク家から御用達の称号を授与されました。

ロブマイヤーのグラスの特徴は、薄くて軽いのに加え、耐久性にも優れているところ。素材に「カリ・クリスタル」を特殊な配合で用いており、透明度の高さと扱いやすいさを両立しています。製品には装飾のないシンプルなグラスやカット装飾のみを薄く施したものが多く、グラスそのものの美しさを堪能することが可能です。

1900年以降はパリ万国博覧会をはじめとした国際的な場で数々の賞を受賞し、世界的な評価を高めていきます。シャンデリアの美しさにも定評があり、各国の王宮や教会などの建築にもロブマイヤーの製品が用いられました。ヨーゼフ・ホフマンやアドルフ・ロースといった著名な芸術家が携わったものもあり、一部の製品は美術館で所蔵・展示されています。

ロブマイヤーを代表するグラスシリーズは、「バレリーナ」。カット装飾などを施さないシンプルなシリーズで、さまざまなシルエットのグラスが登場しています。グラスに注ぐ飲み物に合わせて、グラスの形を使い分けることが可能です。ほかにも「シャンパングラス コレクション」や、ウィーンの建築家アドルフ・ロースがデザインした「ロースシリーズ」など、さまざまなコレクションがあります。