高台(こうだい)とは、皿や茶碗といった器を支える足の部分です。円形もしくは楕円形であるのが一般的。中国美術では、「圏足」という名称で呼ぶこともあります。作り方は、主に「削り高台」と「付け高台」の2種類。削り高台はろくろで器の形を作った後に、高台を削り出す方法です。高台は内ぐりを施し、外縁だけが立っている状態のものが多い傾向にあります。付け高台は器を成形した後、別で作っておいた高台を取り付ける方法です。
日本における高台の歴史は古く、7000年前の縄文土器には原型となるものが確認できます。一説によると、桃山時代に高台は「式」と呼ばれていました。江戸時代前期になると「香台」と呼ぶようになり、のちに「高台」へと転じたとされています。
高台は目立ちにくい器の底面に取り付けられ、彩色を施すこともほとんどないため、制作地・時代・作家ごとの作風をしっかりと確認できます。桃山時代以降は高台も鑑賞の対象となり、作品や作家独自の工夫を凝らすようになりました。数ある作品のなかには、あえて高台を取り去ったものや、貝のような異素材を用いたものもあります。
高台の意匠によっては、名称が付いている場合があります。「碁笥底(ごけぞこ)高台」は高台がなく底面がつるりとした作風、「貝高台」は高台に小さな貝殻を取り付けたものです。ほかにも四角く角張った「角高台」、三日月を形作るように外縁の太さを調節した「三日月高台」桜の形に切れ込みを入れた「桜高台」など高台の種類はとても豊富。骨董・古美術ファンのなかには、高台までじっくり観察してから購入を決める方もいます。