ウプサラエクビー

ウプサラエクビーとは、スウェーデンにあった陶磁器ブランドのことです。1885年に、スウェーデンの名家フォンバール家によって設立されました。粘土が豊富に採れたことを活かし、設立当初はレンガを専門的に生産していました。その後、壁のタイルや暖炉、陶磁器などさまざまな製品の生産に取り組んだとされています。

1920年代になると陶芸家やデザイナーを雇用するようになり、デザイン性の向上を図るようになります。1930年代にはユニークなデザインと品質の高さが広く知られるようになり、陶磁器ブランドとして一定の地位を確立しました。1936年には同業他社のゲフレを買収し、会社の規模もさらに大きく成長しました。

イギリス出身のデザイナーであるドロシー・クラフが担当した猫のデザインは大変な人気となり、ウプサラエクビーを代表するコレクションになります。しかし1960年代後半になると国際競争に取り残されるようになり、売り上げは減少。1970年代には工場の規模を縮小し、1970年代末頃に閉鎖することになりました。

ウプサラエクビーの陶磁器の魅力は、絵付けを手作業で行っており、手作りならではのあたたかさを感じられることです。陶磁器のデザインは独特で、楕円形やひし形のボウル、幾何学模様をあしらった花瓶、フクロウの赤ちゃんの置物など、さまざまな製品が登場しています。

ゲフレを買収してからは特に彩色の豊かさと個性が増し、コレクターからの注目を集める製品を多く生産しました。スウェーデン陶磁器の伝統と個性を両立したウプサラエクビーの製品は、今も世界中の人から愛され続けています。