エドヴァルド・ムンク

エドヴァルド・ムンクとは、ノルウェー出身の画家のことです。1863年に生まれ、1880年のノルウェーの首都オスロにあった王立絵画学校に入学しました。1889年から3年間パリに留学し、印象派やポスト印象派などの芸術に触れ、1892年に帰国した後、1896年にパリに移住して版画の制作等に取り組みました。

1902年以降はドイツを中心に活動し、連作や舞台装置の下絵を制作しました。個展の成功をはじめ数々の成功を収めましたが、精神面での不安定さと、不安に伴うアルコールへの依存度が高まり、1908年にはデンマークの首都コペンハーゲンにある精神病院に入院します。同年秋にはノルウェー王国政府から勲章を受章し、1905年に退院。その後はノルウェーに拠点を置いて活動を継続し、1944年に80歳で亡くなりました。

エドヴァルド・ムンクの作品の特徴は、大胆な構図や人物の描写、感情や心理状態を表現するための彩色法などが挙げられます。自身の精神状態や不安な気持ちを作品に投影しており、見る人にも不安定さや苦悩を印象付ける色使いがよく見られます。人間の心理表現の先駆け的な存在としても、エドヴァルド・ムンクは高く評価されています。

代表的な作品は、『叫び』です。「フリーズ・オブ・ライフ」という愛や死がもたらす不安をテーマにした作品群のうちの一作で、1893年に制作されました。ほかにも1895年制作の『煙草を持つ自画像』、ドイツでの活動時に制作した『青いエプロンの2人の少女』、晩年の『星月夜』など、数多くの作品を制作しました。