エーゲルマン

エーゲルマンとは、チェコに拠点を置くボヘミアガラスの工房のことです。ガラス製造の技術者であり、絵付師としても活躍していたフリードリッヒ・エーゲルマンという人物によって、1832年に創業しました。創業から200年近く経過した今も、伝統的なボヘミアガラスを生産していることで知られています。

エーゲルマンが創業した当時、赤いガラスにはあらゆる病気を治す力があると信じられており、一般市民にまで広く人気がありました。そこでフリードリッヒ・エーゲルマンは、ドイツのマイセンで陶工の技術を学び、ガラスを赤く焼き上げる方法を独自に開発します。1864年にフリードリッヒ・エーゲルマンが亡くなった後も、赤いガラスを生産する技術は受け継がれ、世界中に根強いファンを持っています。

エーゲルマンのボヘミアガラスの特徴は、深みがあり鮮やかな赤色のガラスです。19世紀に赤いガラスを生産するために用いられていた金や銅などは使わず、エーゲルマンならではの技術で発色させているのが特徴。独自性のあるガラスは、開発者の名前を取って「エーゲルマン」と呼ばれることもあります。

また、繊細な彫刻技術もエーゲルマンの魅力のひとつ。鳥の羽や植物の葉にもひとつひとつ丁寧に装飾を施したり、ハンドペイントで彩を加えたりしており、芸術品のような美しさがあります。エーゲルマンは卓越した技術を今も受け継ぎ、他に類を見ないオリジナリティ溢れるボヘミアガラスを生産している工房です。