カラヴァッジェスキ

カラヴァッジェスキとは、16世紀末から17世紀初頭にかけてイタリアで活動した画家カラヴァッジョの作風を模倣した画家たちのことです。カラヴァッジョの作品の特徴の1つは、光の使い方。当時はバロック様式の絵画が流行しており、強い明暗を付けたり、豊かな彩色を施した作品が多く生み出されました。

カラヴァッジョの作品はそのなかでも特に陰影のコントラストが強く、後世の芸術家にまで影響を及ぼしたのです。カラヴァッジョの代表作としては、『マグダラのマリア』や『アレクサンドリアの聖カタリナ』などが挙げられます。

カラヴァッジョの影響を受けた芸術家としては、イタリアのオラツィオ・ジェンティレスキやバルトロメオ・マンフレディ、オランダのヘンドリック・テル・ブルッヘンが有名です。

オラツィオ・ジェンティレスキはカラヴァッジョの友人でもあり、初期のカラヴァッジェスキとも言われています。『リュートを弾く娘』のような、対象物は写実的に描きつつ陰影をはっきりとさせている作品を残しました。

バルトロメオ・マンフレディも、カラヴァッジョと同時代に生きた人物です。『クピドの懲罰』は陰影が濃く描かれており、カラヴァッジョの作風を反映した作品として知られています。

ヘンドリック・テル・ブルッヘンは、1604年頃に芸術の修行をするためイタリアを旅行しました。その際にカラヴァッジョとも接触し、カラヴァッジョの作風をオラツィオ・ジェンティレスキから学びます。のちに『疑う使徒トマス』や『バグパイプ奏者』などの作品を発表しました。